研究室紹介

研究領域

        

 私の研究室では、身体表現と舞踊に関する研究を行っています。「人間はなぜ踊るのか?」という問題を考えることから、人間にアプローチし、舞踊と人間についての理解を深めたいと思います。そのために、「舞踊と人間形成」を中心テーマに据え、文化として確立した舞踊と共に、舞踊の根源である無意識的・意識的身体表現をも視野にいれ、人間の感性や創造性が生きた「身体と身体の動き」による豊かな表現がどのようなコミュニケーションを生み出し、まだそのようなコミュニケーションは人間形成とどのような関係にあるのかを研究しています。
  ここ2,3年の研究室としての研究課題は、科学研究補助金を得ての「創造的身体表現活動による態度変容と異文化理解」、自治医科大学脳神経外科学教室渡辺教授の協力を得ての「脳活動からみた舞踊行動」、東京工業大学三宅研究室およびオムロンとの共同研究「美しい歩行」などです。
これらはいずれも、柴の従来の研究の発展であり、特に、「脳活動と舞踊行動」及び「歩行」は、渡辺教授、三宅准教授との出会いによって可能になった、専門的計測を伴う研究です。ゼミ生は、自分たち自身が被験者となって、これらの専門的計測の手法を獲得すると同時に、舞踊行動について議論を深めていっています。
このようなゼミ生が協力しての実験を実施する一方で、各人は自分の関心に従って「問いをたて」、研究を進めます。そこでは、どのような舞踊のどのような局面を対象として取り上げるのかを明確にした上で、「問いを立て」、その問いを考えるにふさわしい文献の講読を進めていきます。例えば、大学院生は「舞踊する身体」「ダンサーと観客のあいだ」
「舞踊創作者と演奏者の相互作用」「舞踊における自己-他者調整の様相とその変容」などの研究に、文献研究と実践(実験・調査)を併用して取り組んでいます。
  柴の具体的な研究テーマ、内容は、「研究概要」にあります。

略歴

  • 最終学歴 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)
  • 学位   博士(学術)お茶の水女子大学
  • 職歴   前神戸大学教授 現お茶の水女子大学大学院教授